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「団地小僧」サッカー [団地小僧ー2]


 さて、そんなぼんやりな俺も
妹ができ、兄としての自覚ができたのか(笑)、
兄貴とではなく、妹と遊ぶようになった。

とにかく手のかからない妹で「うっくーん」とか言えば、
大笑いするのである。

 ただ、色黒に加え、頭がアフロヘア―なのが、
笑えたが、いまいちではあった。

 そんな平和な俺に、やっと転機が来た。

 俺の小学校は大谷場東小学校、隣に大谷場東中学校がある。
そのつながっているグラウンドで、とりあえず走り回っていると。

 「コロコロ・・・」とサッカーボールが!
「これは、サッカーボール?」
野球少年だった俺にはいまひとつ分からないサッカー。

 「おーい!こっちに蹴ってよ!」
サッカーをしていた中学生が大声で叫ぶ。

 その時、おいらのいたづら心がはじけた。
ボールを中学校の方に蹴らず、逆の方にドリブルしてったのだ。

「あれ?こらー」
追いかけてくる中学生。
笑いながら、俺がドリブルしているボールを奪おうとする。

 と、その時、奇跡が起きた^@^v

中学生のアタックをかわし、その中学生を引き離したのである。
「おっ、やるじゃん!」

 ^@^w「おっ、やるじゃん!」「おっ、やるじゃん!」「おっ、やるじゃん!」・・・(エコー)

 はじめて俺、他人に褒められたんじゃないか?

 「おまえ中学になったらサッカーすれば?うまいぞ」

 その中学生は救世主だったのだ。
万引きと土団子しか知らなかった、もはや小学生にして、
暴走族候補だったおいらが、自己に目覚めたのである。

(俺はサッカーがうまい)。ガキは思い込みが激しい。
結局、サッカーを始めたのは小5からなのだが、
それからの日々、ボールと見ればなんでも蹴って、
からかみや障子は穴ぼこだらけ。
よちよち歩きのボンバー妹も何かと手伝ってくれる。

 まぁ、まだ勉強はした覚えなかったがな。




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