季節外れの恋物語。 [小説]
・・・雪の降る校庭で。 「ぼくの誕生日はイブと重なるから嫌なんだ」 「えー、世界中が祝ってくれるじゃん」 「・・・ぼくは、ぼくの誕生日を祝って欲しいんだよ」 「そうか。じゃ、おまえにHAPPYBIRTHDAY!」 「・・・ありがとう」 「・・・これ」 「?」 「わぁ!レコード?誰!ドルフィーって?」 「アハハ、ごめん。お金なくて俺の中古。だけど、なかなかいいよ」 「うん。嬉しい。すごく嬉しいよ。一生の宝物だよ!」 彼女はアパートに帰ってからずっと朝までドルフィーを聴いていた。 ユーミンが好きなくせに。
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