「団地小僧」万引き2 [団地小僧ー2]
俺はそんなに悪い奴じゃない、
ただ、いやしいだけだ!
まったく、園児の時、マーブルチョコ万引きして、
びびってたのに。。。
そう、小学校でもやっていました。
当時は、コーラの空き瓶を酒屋さんに持って行くと、
10円に!
だから、毎日、俺たち戦後貧乏ガキはゴミ集積所に立ち寄って、
コーラの空き瓶を探してたわけだ。
だが、欲しい駄菓子があるのに、コーラの空き瓶がないことも多々ある。
・・・あの日はなんか薄曇りの日だったな。
俺は麦畑にダチと身を潜めていた。
狙いは道路向こうの酒屋。。。
息をひそめ人がいなくなるのを待ち、
レッツゴー!
足音をひそめ、酒屋の裏へ。
俺が誘ったダチはふたり(誘ったのは俺)。
そっ、とコーラの空き瓶を万引きすると、
しずしずと麦畑へ。心臓ばくばく。
・・・しばらくして、もういいかな?と言う頃、
その、今、空き瓶を万引きしたお店の表玄関へ。
「おばさん、コーラの空き瓶持ってきたよ!」
「・・・」
なんかおばさん態度が変。
「ねぇ、坊や、それどうしたの?拾ったの?」
「うん、向こうのゴミ箱で」
「・・・そう」
仕方なさそうに、でもどこか寂しそうに、30円を俺に渡すおばさん。
「ふぅ」
なんちって、お金さえ手に入れば、ご機嫌な馬鹿低学年。
駄菓子屋でお菓子買って、満足ちゃんちゃん。
ところが、次の日。
お昼時の校内放送。
「〇年〇組のこりーくん、@@くん、@@くん、
至急、校長室へ来なさい」
校長室・・・なんだ?・・・もう、昨日の万引きなんか忘れている鳥頭。
校長室はなんだか人が多そう。
「こんこん」
「あー入り給え。君がこりーくんか?」
「はい」
なんと、おまわりさんがふたりいる。
「君は、えー昨日、酒屋さんでコーラの空き瓶を
盗んだりしませんでしたか?」
・・・やべぇ、ばれてる。
ダチが肘でお腹を突っつく。
「こりーくん、やったならちゃんと言って」
女先生が優しくさとす。
まぁ、しようがないな。バレバレだぜ。
「はい、お菓子が買いたくてやりました」
校長室に流れる安ど感。。。ふーっ。
いち早く謝ったのがよかったのか、
大人たちの間では、許す方向で話は決まったいたようだ。
(ふーっ、しかし、あのおばさん俺のこと知ってたのかなぁ?)
反省の色なし。
クラスに戻ると俺はヒーローだった。
「すげぇなぁ、おまわりさんに捕まったのかよ?」
「おうよ!今回は許してもらったがな」
「何したの?こりーくん?」
「えっ、コーラの瓶をよ・・・」
とくとくと話す俺。馬鹿は治らない。
親にも言わないでおいてくれたのに。。。はぁ、お宅の息子さんは平気?
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