「鬼畜」①

幼いころからの長男との差別は普通なんだろうな。
洋服はお古、食べ物は残り物、腐ってるかどうか俺で検査するとか。
兄はバイオリンに塾。まぁ、俺は行きたくなかったけどさ。
サッカーをしだしてからは、兄とは遊ばなくなったので、
差別は気ならなかったが、一年間、同じシャツを着ていた。
赤シャツ。・・・目立ったからFWをしていた俺にはよかったかも。
ただ食事がまずくて食べられなくなり、げっそり痩せた。
更に家では基本的に妹を弟分に卓球やトランプをしていたので
母親とは何も関係のないいい時期だったのだろう。
それが爆発したのはやはり中二。
俺がいない時に部屋の掃除をするのだ。
「やめろ！」と言ってもやめない。日記を読みたいからだ。
兄も妹もこの洗礼を受けたが、あきらめたようだった。
でも俺は「ざけんな！」と逆らい続け、
その後、俺の部屋を母親が掃除することは無くなった。
記憶の中ではその後、母親とはなんのつながりもなかったようだ。
高校は暴走族の嵐だったし、ギターを始めたので忙しかった。
だいたい高校にも家にもおらず近所の先輩の家にたむろして、
ジャズを聴いていた。
勉強はいっさいしなかったため、三流大学に入った。
問題はこの辺りからである。