11月４日（日）満月音楽会「沈黙の次に美しい音楽を」

　少し冷たい雨の中、ギター仲間のゴンちゃんのレコ発ライブに行った。雨のお陰で静かな鎌倉の教会の側にある画廊喫茶「ジャック&豆の木」。ゲストにはどこかのライブ会場で出会ってゴンちゃんが惚れてしまったらしいリコーダー、ボーカル、パーカッションの飯塚直さん。
　・・・クラッシックギターのアルペジオが心地よく響き、リコーダーの素朴なメロディが踊る。ゴンちゃん（ギターリスト、作曲家）の引き出しは色々あるが、ここ数年はガットギターによる民族音楽の雰囲気が漂う。スペイン、南米、中東、色々な場所にワープさせて貰ったが、今回は何処だかわからない。もしかしたら、地球のどこかでそれ以上でもそれ以下でも無いのかもしれない。
　このライブではプロのナレーターの方の朗読が演奏の合間に入る。テーマは、時間の旅と四元素。少しスクエアな感じが音楽の熱を平熱に保ってくれる。
　今回は直さんの参加により、ゴンちゃんのギターが忙しくなく（いつもはソロなので大変！）ほのぼのとし、その上で直さんが遊ぶ。リコーダーの草原の風のようなソロ、幼い頃に聞いたような鈴の音、日向の匂いのする口笛、おまじないのような声・・・。
　ゴンちゃんは優れた作曲家でもある。ジャズをはじめ、ロックやポップスをはじめあらゆる音楽を通過しクラッシックから民族音楽へたどり着いた経緯がある。そして湘南の地での数年。人柄からか仲間も多くでき、ギター教室の生徒さんも小学生から高校生へ。そんな時間の旅を経てできた楽曲は優しさで溢れている。難解な理論を感じさせないメロディ、心地よい不協和音、テクニカルなアルペジオ。
　ライブの終わりには観客の皆さんがゴンちゃん、直さんの側に駆け寄り、賛辞の声をかけていく。
冷たい雨のため客足は少なかったのがかえってよかった。・・・知人のギタリストのライブで感動してしまったのはアマノジャクの私としては悔しいが、これからが楽しみなゴンちゃんの音楽がある、
というのは幸せの元素のひとつであろう。